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A.ランゲ&ゾーネのアイコン、アウトサイズデイトのモチーフであるゼンパー歌劇場の五分時計とその180年の歴史~5分刻みの時間。ちょっと付記あり

ドレスデンのゼンパー歌劇場の落成式が盛大に執り行われたのは、180 年前の1841年4月12日でした。この歴史上の出来事を鑑み、A.ランゲ&ゾーネは当時すでに技術的な驚異とされた五分時計に思いを馳せます。私たちには、この時計に深い思い入れがあるのです。それには二つの理由があります。その一つは、その生みの親であるヨハン・クリスチャン・フリートリッヒ・グートケスが、時計産業の先駆者であるフェルディナント・アドルフ・ランゲの師であり義父でもあったことです。そしてもう一つは、この時計に着想を得てランゲ・アウトサイズデイトが生まれたことです。


重大な使命
ヨハン・クリスチャン・フリートリッヒ・グートケスは、新築された歌劇場のために、これまでに見たことのないような時計を作ることになりました。ザクセン王家がグートケスに「立派な時計」を作るようにと命じたのです。それは、ダイヤルと針を備えた従来の時計とは一線を画し、「同種の時計の中でも珍しい時計」でなければなりませんでした。
それに対するこの奇抜な回答は、17 世紀のフランスで作られた二つの枠に囲まれた数字ディスクまたは数字ホイールで時刻を表示する時計にヒントを得たものと思われます。別の説では、同じくデジタル表示のミラノ・スカラ座の舞台時計がモデルだとされています。
いずれにしても、ドレスデン王立歌劇場(ゼンパー歌劇場の当時の正式名称)の落成式で、時刻をはっきりと読み取れる
舞台時計に聴衆は騒然となりました。この時計は当時、ザクセン時計技法の傑作とされ、製作したグートケスはその業績によりザクセン王国宮廷時計師に任命されました。


画期的なアプローチ
グートケスは、五分時計に前例のない画期的な構造を採用しました。それは、数字が印刷された布を張ったローラー2 本を歯車で駆動し、そこに二つの窓を開けたフレームを取り付けたものでした。左窓にはローマ数字のI からXII で時が示され、右窓にはアラビア数字の5 の倍数、つまり5から55で分が表示されます。正時には右の分窓には何も表示されません。これが、後にA.ランゲ&ゾーネが採用するアウトサイズデイト表示の原型となりました。アウトサイズデイトでも、1日から9日までは左窓には何も表示されません。

初代の五分時計には設計図も説明書も存在しないため、グートケスがこの数字ローラー式時計を製作した理由は想像する以外にありません。公演中に客席が暗くなっていても、最後列の席からでも時刻を読めるようにするため、というのが最も合理的な理由です。直径約160 センチの大型ローラーで高さ約40 センチの数字を回転させます。これと同じくらい読み取りやすい時刻表示をアナログ時計で実現しようとしたら、舞台前部の上方に設けられたスペースには収まらなかったことでしょう。グートケスは従業員と一緒にこの時計を設計・製作しました。そのうちの一人が、後に娘婿となり共同経営者となったフェルディナンド・アドルフ・ランゲだったのです。


災禍を乗り越えて
1869年、建築家ゴットフリート・ゼンパーが設計したドレスデン初の歌劇場が大火災で焼け落ち、有名な舞台時計も焼失してしまいます。歌劇場を再建するにあたり、グートケスの弟子の一人ルートヴィッヒ・トイプナーに新しい舞台時計の製作が命じられました。トイプナーは、焼失した五分時計のことを熟知していたのです。その結果、伝統的な塔時計の要素と古典的な時計の構造原理を組み合わせた大きな時計ができあがりました。この時計は、トイプナーの工房と、現在もライプチヒに存在するツァッカリア塔時計工房によって、当時の最新の技術標準に合わせて製作されました。ルートヴィッヒ・トイプナー、その娘婿のエルンスト・シュミット、そしてその息子フェリックス・シュミットが三代に渡ってこの二作目の五分時計の保守整備を担当し、その技術知識を20 世紀に伝えました。


●ルートヴィッヒ・トイプナーの設計による1896 年製の五分時計の置き時計タイプの模型。素材: 木材、ガラス、ゴールドプレート仕上げの真鍮、ゴールド製歯車。高さ: 31cm。この模型は現在、ドレスデンのツヴィンガー宮内にある数学・物理学サロンに展示されている。

見事な模型にも、二代目の五分時計の機能原理が再現されています。1896 年、ルートヴィッヒ・トイプナーは見本市に出品するために縮尺10 分の1 の模型を、弟子のフーゴ・ライポルトとオットー・ヘアマンに作らせました。トイプナーの死後、その模型はヘアマンに寄贈されました。そして彼は後に、その模型を持ってハワイへ移住します。1951年、模型はトイプナーの孫フェリックス・シュミットの手に渡り、1980 年にドレスデン数学・物理学サロンに寄贈されました。


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ジャガー・ルクルト 「レベルソ」~ あるアイコンのストーリー

今年、誕生90周年を迎えたレベルソは、ウォッチ・シーンにおいてもっとも有名なアイコニック・ピースのひとつである。このアニヴァーサリー年にあたって、ブランドがその歴史をまとめた資料を作成しているので、この機会に紹介しておきたい。

レベルソ:1931年から続くタイムレスなストーリー

レベルソは90年前に誕生しました。この90年間で社会や嗜好は変わり、テクノロジーは進化し続けてきました。
しかし、レベルソは変わることなく現代的で、妥協なく、常に自分らしくあるために大胆であり続けています。ブランド時計 コピーここ30年間では、機械式腕時計の製造の復活や芸術的技巧の発展により、誕生時には想像もできなかった可能性を実現しています。稀に見るアールデコデザインの例として、レベルソは真の意味でアイコンとなりました。2021年、ジャガー・ルクルトは、長年愛され続ける稀有なタイムピースにオマージュを捧げます。

あるアイコンのストーリー
レベルソの物語は、ポロの競技中で身に着けても壊れない腕時計を製作するという挑戦とともに始まりました。
1930年、時計ビジネスを通してジャック・ダヴィド・ルクルトとパリの企業であった ジャガーSAの両方を良く知っていた、起業家のセザール・ド・トレーがインドを旅行しました。そこでは、イギリス軍の将校たちがポロの競技を行っていました。
腕時計のガラスとダイヤルを保護する方法を見つけて欲しいと試合中に依頼されたトレーは、反転できるケースのアイデアを思いつきました。彼は、ジャガーのつてを頼ってルクルトにその製作を持ちかけ、フランスの工業デザイナー、ルネ・アルフレッド・ショヴォーがケースのデザインに携わりました。

すぐに成功を収めたレベルソは、アールデコスタイルの真髄を表現するもの、そして現代性を体現するものとして、多種多様な職業のお洒落好きな人たちが身に着けるようになりました。
ケースは、オリジナルのステイブライト製とゴールド製が用意されました。



しかし、第二次世界大戦後に嗜好が変化するにつれ、レベルソへの関心は失われていきました。
最初のクォーツ時計によってスイスの時計産業がかつて経験したことのない大きな危機に陥った1969年には、 レベルソはほとんど忘れ去られていました。
しかし、クォーツ時計が席巻する中、セイコーホールディングスイタリアの ジャガー・ルクルトの販売者であるジョルジオ・コルヴォが残っていた最後の200個のレベルソの ケースを購入、そのケースに機械式ムーブメントを搭載して、製作した200個すべてを1ヵ月以内に売り切りました。

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ハリー・ウィンストンを象徴する「HW オーシャン」と「プロジェクト Z」からカラフルな新作が登場~複雑機構に色鮮やかなカラーを添えて

アバンギャルドな表情が印象的な「プロジェクト Z」シリーズから15作目が誕生。プロジェクト Zは極めて軽量かつ耐蝕性を備えた特殊合金・ザリウムを使用し、時計製造における伝統と高度な建築的要素を融合させたシリーズです。このモデルのポイントは、ブランドカラ ーをアクセント用いたスケルトン分針。レギュレーターダイヤルを現代的かつ独創的にアレンジしています。プロジェクト Z15は、世界300本の限定モデルです。



レギュレーターウォッチ
1700年代初頭に開発された振り子を動力とするレギュレーターは、計時機器の調整や精度チェックのために用いられる精密機器でした。レギュレーターウォッチでは、ダイヤル上の時・分・秒がそれぞれ独立して表示されます。その主役である「分」はセンターの針で、「時」と「秒」は一般的にはサブダイヤルで表示されます。

レギュレーターダイヤルを採用したこのモデルでは、ブルーとレッドをアクセントに配した印象的なスケルトン針がブルーのカウンターによって分を表示します。この針をはじめとするプロジェクトZ15を構成するすべての要素は、創始者ハリー・ウィンストンと、彼が1932年に自らの名を冠したジュエリーブランドを設立した街、ニューヨークへのオマージュとしてデザインされました。オリス時計修理また、ポイントとして使用されているブルーはブランドカラーであるとともに、ハリー・ウィンストンが1949年に取得した45.52カラットの希少なブルーダイヤモンド、ホープ・ダイヤモンドを想起させます。そして、鏡面仕上げが施されたブリッジが描く八角形のラインは、創始者ハリー・ウィンストンがもっとも愛した宝石のかたちであるエメラルドカットのシルエットをイメージしています。エメラルドカットのシルエットは、ブランドの象徴としてそのロゴにも用いられています。


ニューヨークへのオマージュ
立体的なデザインがボリューム感と奥行きのある印象を演出するプロジェクト Z15は、20世紀初頭のニューヨークを象徴する超高層ビルや、吊り橋の構造を想起させるデザインが特徴です。ダイヤルに配されたオープンワークのブリッジは、2つのサブダイヤル及び時・分・秒を示す3本の針を支えています。外周にミニッツトラックがレイアウトされているため、時間を表示するサブダイヤルは過去のプロジェクトZと比較するとやや小さくなっていますが、視認性は損なわれていません。アワーインデックスと針、12時位置のブランドロゴ、分針、そしてミニッツトラックの内側にデザインされた12個のセミヘキサゴンモチーフには夜光塗料が塗布されています。また、ダイヤル下部に配されたレトログラード式秒表示のインデックスは、セミヘキサゴンのラインを描いています。レッドカラーの秒針は30秒に到達すると、瞬時にジャンプして始点へと戻ります。



人間工学に基づいた素材、ザリウム
2004年にファーストモデルが発表された「プロジェクト Z」は、超軽量かつ耐腐食性に優れたジルコニウムベースの特殊合金、ザリウムを使用しています。グレーカラーがシャープな表情を演出するザリウムケースは直径42.2mm、厚さ10.7mmで、リューズガードにデザインされたトリプルアーチのモチーフを含め、全体にスポーティなサテン仕上げが施されています。またこのモデルは、10気圧の防水性を備えています。

自動巻きムーブメント
サファイアクリスタルのケースバックからは、スイス製自動巻きキャリバーHW3207の仕上げと動きを鑑賞することができます。このムーブメントは226個の部品と34個の石で構成されており、振動数は28,800回/時、65時間のパワーリザーブを備えています。またシリコン製平ヒゲゼンマイの採用により、長期にわたる高い精度を実現しました。さらに時計製造における伝統的な仕上げである、アンスラサイト・コート・ド・ジュネーブ仕上げが施されており、オープンワークが施されたホワイトゴールド製ローターとともにブランドの美意識を語ります。
また、ザリウム製バックルが付属したラバーストラップは、ブルーのラインがスポーティな印象。ラバーに施されたテキスタイルエフェクトが、リッチカジュアルな表情を演出します。


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モリッツ・グロスマン、 独自の振り子式自動巻き機構を搭載した「ハマティック」に、新たな2つのモデルを発表

独自の振り子式自動巻き機構を搭載した「ハマティック」に、新たな2つのモデルを発表~ダイヤルに古典的なシルバーフリクションコーティングを採用したハマティック・ヴィンテージのバリエーションモデル


モリッツ・グロスマンはハマティック・ヴィンテージのバリエーションモデルとして、ホワイトゴールドケースに加え、新たにローズゴールドケースを採用しました。ダイヤルに用いられるシルバーフリクションコーティングは19世紀にグラスヒュッテで行われていた伝統的な技法です。また、ハマティックの革新的なムーブメントのアイデアも、同じ時代の技術にインスピレーションを得ています。モリッツ・グロスマンにより完璧に設計されたキャリバー106.0は、重りを用いた振り子式の古典的なメカニズムと現代の優れた技術を結び付けました。ハマティック・ヴィンテージ シルバーフリクションダイヤルはモリッツ・グロスマンのクォリティの高さを見事に表現しています。


グラスヒュッテの時計職人は、時計の外観だけではなく精度にも関わる、細やかな仕上げに注力してきました。高級時計に施される仕上げは、ムーブメントの品質の高さも表しています。伝統に倣い、モリッツ・グロスマンでは他の部品に隠れてしまう小さなパーツも丹念に磨き上げ、手作業でのエングレービングを施しています。



シンプルかつ上質なシルバーフリクションダイヤル
モリッツ・グロスマンは高級腕時計の設計から製造までを自社で行う世界的なマニュファクチュールです。ブランド名でもある時計職人モリッツ・グロスマンの知識と技術は、19世紀後半のグラスヒュッテにおける時計産業の発展に貢献しました。
モリッツ・グロスマンのマニュファクチュールは‘Schönstes Deutsches Handwerk’ 「最も美しいドイツの職人技」の理念に基づいた時計製造を続けており、ハマティックはその代表モデルの1つです。クラシカルなダイヤルには、古典的な技法のシルバーフリクションコーティングが施されています。視認性に長ける、ベルベットのようにきめ細かな粒子が輝く見事な仕上がりです。



この伝統的な製法では、銀の細粒と塩を含む粉に少量の水を加え、ブラシで擦りつけることでダイヤルにコーティングを施します。より美しく仕上げるため、事前に文字盤上の汚れを徹底的に落とし、表面を粗めに仕上げる必要があります。シルバーコーティングの前にダイヤルのインデックスやロゴ部分には手彫りのエングレービングが施され、そこにブラックラッカーが充填されます。ラッカーは銀のパウダーをはじくため、シルバーコーティングの影響を受けません。


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